実績のご紹介
CASE STUDY

実績のご紹介

つい、自慢したくなる人生送ってる?

株式会社ヴィクセス

株式会社ヴィクセス代表取締役社長 中元 孝太氏

事業紹介
2010年11月11日設立。飲食店経営、飲食店のコンサルティングサービス、プロデュースを中心に20店舗以上を展開。ワインバルESOLA(エソラ)では、ワインをより手軽に楽しんでもらえるよう「ワイン時間無制限飲み放題」という独自のサービスを展開している。

企業規模拡大の課題に挑む
ワインシェア日本一への新たなチャレンジ

25歳、自己資金ゼロ、ワンコインピザからの出発

̶起業からこれまでの御社の成り立ちをお聞かせください。

中元:もともとは飲食店の出店をサポートする企業で営業をしていたんです。22〜23歳の頃にエー・ピーカンパニーの米山さんなど、「この人たちみたいになりたい!」と思う素晴らしい経営者の方たちに出会い、25歳で自分も起業しようと決め、実際に25歳で独立しました。

とはいえ、自己資金も十分にない中で、渋谷に物件は見つけたもののその時点ではまだ業態も決まっていない状態。そんな時に、エムグラントフードサービスの井戸さんに相談に乗っていただき、「CONA」(同社のイタリアン飲食業態)のライセンス店1号店を2010年にオープンするに至りました。
現在はワインバルの「ESOLA」を中心に、ラーメンやホルモン焼肉、居酒屋バルなど20店舗以上を展開しています。

「他人本位」の源にあるファミリーの絆

多角経営に取り組み20店舗を超える中で、中元社長が大事にしている思いや経営方針とは。

中元:人を基軸に考えて仕事をしていきたいと思っています。創業当時は、店舗数を増やすことや売上を上げることに躍起になっている時期もありました。でも実際にそこを追いかけてみて、僕には向いていないなと実感したんです。大小共に多くの失敗をした結果、最終的に、大切なのはお客様であり、店舗数よりも人=自社ファミリーが増える喜びの方が強いと気づきました。今では、この職場をファミリーの夢を叶える場にしたいと思っています。店舗は、人を増やすために必要と考えるようになりました。

人を基軸に考える御社ならではの文化について教えてください。

中元:人生でやりたいことを自分らしくやっていくというのが根本にあります。それは自分の人生としてもそうだし、ヴィクセスという会社としてもそうです。ヴィクセスらしさの追求として「ヴィクスポ」「ヴィクホビ」というものを実施しています。

「ヴィクスポ」は、サッカー、野球、テニスなど、有志で集まって本気でやります。学生時代にスポーツを真剣にやっていた人も多いのに、働き出すとそこで終わってしまうことが多い。経営者は会社そのものが自己実現に繋がるけれど、そうでないスタッフはそれまでの自分も拾い上げて、今に繋げる、やり続ける場があった方が良いと思うんです。毎回30人くらいは集まりますよ。

「ヴィクホビ」は、みんなの趣味(ホビー)を体現しようというものです。最近だと、バイクが好きでツーリングに行く、そこにディズニーランド好きも掛け合わせてツーリングでディズニーランドに行くとか。そういうことを月1でしてます。

どちらも本気です。口にしたことを実行し続けるというのがとにかく大事ですね。

僕自身、スタッフとバンドを組んでいるので、いつかは武道館で社員と関係者を客席にライブをするのが本気の夢です(笑)。その時には森さんを司会として呼びますよ!

森(コーチ):ありがとうございます!

そういった御社の特色は、どのようにして生まれたのでしょう。

中元:会社の規模が小さい時からやってはいました。ただ、20店舗を超えた辺りから、仕組み化して共通言語を作らないと浸透しないというのが見えてきました。規模が大きくなってもコミュニケーションし続け、ファミリー感を強める目的が大きいです。
ファミリーサミットという、アルバイトファミリーと僕とが店舗に集まって、接客から何からチェックして一緒に改善していく場というのも月に1度実施しています。
あと、最近スポーツ観戦をしてハイタッチをしたらテンションが上がったので、スタッフ間でもハイタッチを文化にしています。全て、大事にしているコミュニケーションです。

何かがうまくいかない、でも具体的には分からない

導入から約2年弱。「すごい会議」を導入されたきっかけと理由をお聞かせください。

中元:具体的にこれが課題だと分かっていたのではなくて、漠然と、このまま行くとつまずきそうだと感じていた時でした。2〜3年後の確かな跳躍に向けて何かを手に入れたいと思い、ギフト(町田商店リンク)の田川さんに相談した時に、「それなら「すごい会議」導入した方がいいよ」と進められた事でトライアルさせていただいたのがきっかけです。田川さんは失敗されない方なので、この人が言うなら間違い無いのかなと。

具体的に、トライアルでどんな点に効果を感じられましたか?

中元:なんとなく、ここが足りないのかなと納得出来たんですよね。例えば、事実データを収集するとか、PDCAを回すとか、実際は何回も実施していくうちに気づくことが多いのですが、その重要性をどこかで感じていた時に出会ったという感覚ですね。

100店舗へ向けて、幹部社員の成長なくしてはあり得ない

これを実現したい、と感じた一番の要素は何でしたか。

中元:幹部社員の育成ですね。その頃始めた焼肉事業が思うようにいかず、それと並行して既存店の方も調子が悪くなっていた中で、2〜3年後の右肩上がりを目指すとなると、僕の成長ももちろん大事だけれど、幹部社員の成長を促すことが確実に必要だと思ったんです。それを第三者が客観的に強いコミュニケーションで実現する。自分では決してできないし、必要だと思いました。

森:幹部の成長を促してくれる予感がしたということですね。

中元:最初から急にとはいかないけれど、進める中で、やらなければと彼らが徐々に気づいていきましたね。僕がワンマンで10億規模にまではしたけれど、ここから先は幹部社員の成長なくしてはない。そのメンバーとしての考え方、自覚が生まれて具体的なアクションに落ちていったのだと思います。

サービス改善、コスト改善、組織改革、とにかくチャレンジし続けた2年間

実際のセッションではどのような問題解決を実施されましたか。

中元:いかに良くない状態を脱し右肩上がりの成長に戻すか。そのために正直もがいていて、何か本質の部分でのきっかけを見つけなくてはとみんなで模索し、あらゆることにトライしました。

森:サービス改善、コスト改善、組織も変えましたし、本当にありとあらゆることにチャレンジし続けましたね。準すごい会議と銘打って、幹部トップのメンバー以下のチームでもセッションを実施して社員の育成も強化しました。

中元:とにかく、事実データをもとに思いつくアイデアは全てやったと言ってもいいくらいですね。

「ESOLA」へのフォーカスとFC(フランチャイズ)コンテンツの確立

様々なことにチャレンジし続けたことで起こった変化、得られた成果を教えてください。

中元:まずは、FCというコンテンツを確立できて、「ESOLA」を主軸にやっていく道筋ができたこととですね。あらゆる施策にトライし続ける中で、ある企業さんに「ESOLA」というものをブランディングして全国に拡めましょうとお話をいただき、業務提携を結びました。そこから今期は30店舗出店を目標に、現在は外食ワインシェア日本一を獲る、という目標を決めて進んでいます。

多角的な企業経営から主軸にフォーカスした経営へ、その分岐点はどこにあったのでしょうか。

中元:明確にあるのが、様々な失敗をしたということです。他のすごい経営者の先輩方と自分を比較しながら経営していたことに気づきました。ホームランを打って一発当てないと彼らに置いていかれるという意識でしたね。その結果、やはり軸がブレていたのだと思います。
一方でうまくいっている企業の出店計画を見ると、どこも基軸が一つ大きくある。改めて自社を見直してみると、そもそも「ESOLA」は他にない業態だし、これしかない!と決心できたんです。
「ESOLA」は、かつて違う店舗を経営していた時に、ワインを自分で選べるようにして、合わなかったら捨てるくらいで時間無制限にしたら面白いんじゃないかと思いついて始めたオリジナルの業態ですから。

森:すごい会議を実施したからこそ、チャレンジが多くなった。それはある意味で、失敗の数も増やしてしまったということかもしれませんね。

中元:それは良くも悪くも事実だとは思います。ただ、色々試したからこそ一本の筋が見つかったというのはあると思っています。僕の場合は5勝5敗(笑)。これでブレイクスルーするだろう、というところを一緒に見つけていったという感じですね。

若手社員の台頭&幹部社員の自走

その他にも得られた成果、感じた成長があれば教えてください。

森:私が良かったなと思うのは、若手社員の台頭ですね。幹部トップメンバー以下のチームでもセッションを実施したことで、問題解決力や実行力を強化する人材育成ができた。途中でレギュラーメンバーに昇格する方がいましたね。

中元:下からの突き上げがあるからこそ、トップメンバーも力が意識が高まったと思います。

森:あとは、私なしでも幹部のメンバーが勝手に動き出してくれるのを感じます。こちらが提供するフォーマット云々でなく、マインドとして「どのようにすればそれが実現できるのか?」という言葉が、彼ら自身の中で勝手に起動するんですよね。ここまでやり続けたことの大きな成果だと思います。

なぜ社員にそのような変化が起こったと思いますか。

中元:やはりPDCAを回し続けることと、事実データに基づいた具体的なアクション、それをマイルストーンに落とし込んでコミットするというシンプルな図が効果的だったんじゃないかな。「どのようにすればできるか?」という発言のフォーマットもそうだけど、俺たちがやらなきゃという責任と自立心が芽生えたのだと思います。

森:何が一番彼らを動かしたと思いますか?

中元:危機感じゃないですかね。このままだと会社が良くなくなるかもしれないという思い。あとは、矢印が僕ではなく自分に向き始めた。責任感であり自立し始めたのだと思います。
役割が明確になり、「FCでやるぞ!」と決めたことで起動したあの感じは、大きな価値ですね。

受け入れてやってみる、その素直さが人と組織を変えていく

記憶に残るセッションやシーンがあればお聞かせください。

中元:セッションと関係なく嬉しかったのは、FC加盟店さんにこの売上だけは死守してほしい!というタイミングで、デルフィーの久保田さんと森さんに来店いただいて、数字の面で具体的に貢献していただいたことですかね(笑)。なんとか協力してくれようとする気持ちが嬉しいですよね。
あとは、僕は途中からセッションには入らず、オブザーブとして参加していたんですが、そういう状況を作れるコーチがすごいと思います。

森:幹部を育成したいというオーダーなので、セッションでの意思決定を中元さん以外の他のメンバーにさせることを提案しました。意思決定のプロセスが育成には非常に効果的だからです。ただ軸はずれないように、中元さんには、意思決定者としてではなくオブザーバーとして参加していただく形をとりました。

途中から幹部育成によりフォーカスした設計に変更したということですね。

中元:目指す目標や個人の役割が明確になっていったことで、途中からより育成にフォーカスできましたね。
結果、準すごい会議のメンバーから26歳の子が育ってくれて、今は役職にまでついた。キャリアアップする図式が描けたことで20代が活躍する未来が見えました。

森:御社の強みだなと感じるのは、スタッフの皆さんがとにかく受け入れてやってみてくれることです。とりあえず一度やってみるということができるのは、とても強く、大きな違いを生み出します。

中元:素直じゃないのはダメです。他の研修でも素直にやる人の方が突き抜けるんですよね。基本は、受け入れてやってみるを良しとしているし、スタッフもそう考えてくれていると思います。

事実データを集めるという話が出ましたが、具体的にどのような効果を感じましたか?

中元:事実データを集めて起点にすることでスピードと精度が全く変わりましたね。僕の頭には数字が入っていても、担当が事前にその事実を集めて会議に臨めるかどうかで全然違いますから。

森:事実データの実行もそうですが、御社のすごいところは、みなさんが「問題の指摘を許さない」を体現しているところです。コーチの私が「問題の指摘でなく提案をしてください。」と入るまでもなく、メンバーの誰かが、「無理だとしたら、じゃあどうすればできるの?」と問いかける。コーチ要らずです!

中元:みんな真面目なんですよ。そこに危機感と責任感が生まれたから、吸収力もある。コーチからしたら役割を取られてもどかしいかもしれないですね(笑)。
でも、会社というものは直ぐには絶対に良くならない。数年かかってやっと確かに良くなった言えるものだと思っています。今ちょうど1年でここまできましたから、これからです。

森:来年の今頃、目標とする成果を手にしている御社が見えますね。

3年間で100店舗。ワインシェア日本一を目指す

導入時に得たかったものは、期待に対して現状何%得られましたか?

中元:数年のスパンで結果を出す、まさにその途中なので50%ですね。そこへの基盤ができた状態です。ただ、いくら体制が整ったとしても人間なのでモチベーションは日々変化する。そこをいかに良い状態にし続けるかを考えて、コミュニケーションをとにかく密にとり続ける。継続力が大事ですね。必ず実現します。

目標への道程ということですが、今後の更なる展望や野望、夢についてお聞かせください。

中元:武道館の話もあるんですが(笑)。
今進めているプロジェクトとしては、全国に「ESOLA」を拡め、ワインをより身近な存在にしていくことです。例えばワインで乾杯するような文化を生み出す。まずはワインシェア日本一を狙い、次にアジアなど世界へ出ていくかもしれません。
そのために物流も変え始めていて、今は自社ワインの開発としてイタリアの生産者とも組んで、美味しいワインを本当に安く提供できるよう進めています。
他にもブランディングの一環で、インフルエンサーを使ってターゲットである20~30代女性に認知拡大できるよう、今仕掛けを進めています。
ワイン市場はまだまだ伸びしろがある。地方にも、この安くて美味い、を実現していく予定です。

店舗数・企業規模拡大を目指す企業にマッチする

どのような企業に「すごい会議」は合うと思われるかお聞かせください

中元:企業の規模はあるかな。例えば、飲食店だと10店舗くらいに拡大した時に悩みだす。それまでとは問題が変わるんですよね。うちの場合、1~3店舗くらいはすごく調子が良くて、そこから多角経営を始めてしばらくは良かったけど、10店舗くらいで何が悪いのか原因が見えにくくなって問題が出てきた。経営者一人では見きれなくなるし、コントロールできなくなる。業態にもよると思いますが、その位の企業展開・店舗の拡大を考えている企業は、問題解決として機能するんじゃないでしょうか。

ありがとうございました。